英語に限らず話すというのは、予期しないことの

連続で、どんな内容の話が続いていくかが、

わかりません。

だから、おもしろいのであって、どんどん話が

派生していって、最初とは全く違うことを

話しているなんてことは、特に女性の会話には多いはず。

話すことを職業にしている、スポーツの実況などの

アナウンサーは状況を伝えるのが仕事なわけです。

サッカーなど常に状況が変化が速く、瞬時、瞬時に

説明し、その間に選手のプロフィールを混ぜたり、

過去の試合実績やシーンを話にはさんで

実況の幅を広げていくわけです。

これらすべてアドリブです。

しかし、アナウンサーだからって、すべて

思いつきで、ポンポンと言葉が無意識に飛び出して

いるのでしょうか?

答えはノーです。

一見、滑らかに話す訓練はアナウンサーならやっていても、

いちいち話の内容までは・・・と思っているかもしれないけれど、

実際には華やかな実況の裏で、入念な下準備と訓練が

何度も繰り返され磨き上げられた結果

放送で流れるわけです。

もし何もせず実況にのぞめば、

「アレですよアレ」

とか、

「○○のナントカ、ナントカ」

みたいなことになりかねず、

的確で具体的な数字や事柄が、

瞬時に言えないとプロとして失格なわけです。

つまり、アドリブで話せるとは用意周到な

裏付けがあってこそで、

実はアドリブに見えるとは、

自然と何も考えずに言えることではなく、

そう見えるだけで、

裏を返せば無意識に話しているようにまで、

訓練しつくされ、磨きがかかった結果なのです。

前回の「反復練習」の話にも通じることですが、

母国語ではない英語で話せるように

なるということも同様で、

普段やっていないことが、突然口から無意識に

英語が話せるようになるワケではないということです。

下準備として、英語の基礎力を何度も繰り返し、そして

完璧になるまで自分の中で、磨き上げて

その基礎力を土台として、

シュミレーションを何度もするのです。

具体的には、

普段から目についたものを、英語で自分で解説してみるとか、

もし目の前の状況を外国人に説明を求められたら

英語でどのように説明すればよいのか?など、

日ごろから英語で考える訓練をしていないと、

イザという時に、とっさに英語が出てくるハズがありません。

よく道をたずねられて、

「どうやって言えばよいのか英語が出てこない」

という人がいますが、

あの2つ目の信号の交差点を右に曲がって

とか、

○○線の電車のXX行に乗って、3つ目の△△駅で降りて、

□□線に乗り換える

程度のことは、想定して言えていないと、その場で考えて

いるようでは、とっさになんて言えるはずがないんです。

このように行先など特によく聞かれることや、頻度が多い話題

なんかは、おおよそ推測がつくと思います。

そうした頻度の高い言い回しには、自分の話しかたの

パターンをつくって準備しておくことは大切で、

そのパターンを多く持つことで

とっさに話せるようになるし、

さらに英文法力があれば、そのパターンを崩して、言葉を

入れ替えたり、疑問形や否定形など変えたバリエーションが

無限に広がっていきます。

そのうち、ネイティブと話す機会が増えてくれば、

自分の話のパターンが文法的には合っていても、

実はネイティブはこんな言い方はしないんだなとか、

こういう時は、こういうような言い方をネイティブはするんだな・・・とか、

自分のパターンから抜け出し、修正していけばいいんです。

旅行に行ったり、他国の人と話す機会があるときに

楽しめるには、普段から見えない部分での地味な

積み重ねがあるからこそなのです。

「無から有は生まれない」ということで、

英語でアドリブのように話せるようになるには

日々の反復練習があってこそで、

何もしないのに、

「流暢に英語が話せるようになりたい」

なんてムシが良すぎる話だし、

結局は「自分のやったことしか結果は出ない」ので、

何のための英語学習かを意識しながら、

日々英語学習を続けて行ってみてください。

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